和訳版Abstract | 【目的】大腸癌において全身性炎症反応は腫瘍学的予後に関連している。周術期全体の炎症反応をcumulative CRPとして算出し予後との関連を検討した。 【方法】540例の治癒切除された大腸癌患者を対象とした。CRPの経時的積算値を時間軸と術前、術後1、3、7日目のCRP値軸で作られるグラフの面積の合計から求め、その値をcumulative CRPと定義した。 【結果】cumulative CRPは腹腔鏡下手術に比べて有意に開腹手術で高値であった。多変量解析の結果、cumulative CRP高値は腹腔鏡下手術群、開腹手術群それぞれにおいて無病生存率(DFS)、全生存率(OS)の独立した予後因子であった。また、術後感染性合併症を発症した患者を除外して解析してもcumulative CRP高値群はDFS、OSともに予後不良であった。 【結論】cumulative CRPは大腸癌治癒切除後の独立した予後予測因子であった。 |
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