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Review Article
Volume 6 Issue 2 Pages 92-99

Anal Intraepithelial Neoplasia: Precursor of Anal Squamous Cell Carcinoma

和訳版Abstract 肛門扁平上皮癌(SCC)は、稀な腫瘍であるが浸潤癌として発見されることが多い。かつての標準的治療法は外科的切除術であったが、近年は放射線化学療法が主流となっている。治療方法の変遷のみならず診断機器や罹患リスクに関する情報が整理され、SCCの前癌病変である肛門上皮内新生物(AIN)のスクリーニングから診断、治療もまたupdateされている。予防の観点からは、ヒト免疫不全ウイルス陽性者、男性との性交渉がある男性などのハイリスク者に対するAINのスクリーニング検査と、ヒトパピローマウイルスワクチンの接種が重要である。高解像度内視鏡検査(HRA)はAINに対する高い診断能を有する検査として高リスク患者に対する有望なスクリーニング方法として注目されている。消化器内視鏡領域でも上記のような背景の方を検査する機会があり、現在日常的に利用されている拡大内視鏡や画像強調内視鏡がAIN の評価に適用できる可能性がある。