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Original Research Articles
Volume 6 Issue 2 Pages 121-128

Morphological Analyses of Colorectal Adenocarcinomas in Japanese Familial Adenomatous Polyposis Patients
(日本人家族性大腸腺腫症患者における大腸癌の肉眼型の解析)

和訳版Abstract 【目的】本研究は日本人家族性大腸腺腫症(FAP)患者における大腸癌の肉眼的特徴を明らかにするために後方視的に行われた.【方法】本研究は日本大腸癌研究会遺伝性大腸癌委員会FAP一次研究班によって,2000年から2012年の間に大腸に対する外科的切除受けた患者を対象に行われた.【結果】登録された303例のうち,大腸癌を認めなかった119例ならびに肉眼的所見が得られなかった49病変は除外し,178患者の474病変(112例の表層病変328個と92例の非表層病変146個(患者重複あり))について解析した.表層病変の3.0%,非表層癌の84.9%がそれぞれ陥凹型であった.表層癌の陥凹性病変は非密生型ならびにattenuated型にのみ見られ(P=0.003),手術時年齢が隆起型と比べて有意に高かった(P=0.009).また,非表層癌の陥凹性病変はFAP診断時年齢が隆起型と比べて有意に高かった(P=0.006).【結語】表層癌の陥凹性病変は稀ではあるが存在し,また非表層癌の陥凹性病変も非FAP大腸癌同様多くの割合を占めた.FAP患者の下部消化管内視鏡検査の際には陥凹性病変にも注意を払う必要があると考えられた.