和訳版Abstract | 【目的】 痔核手術におけるMucopexy-Recto Anal Lifting(MuRAL)の成績をLigation and Excision(LE)およびAluminum Potassium sulfate and Tannic Acid sclerotherapy(ALTA)と比較検討した。 【方法】 MuRAL(380例)の3年間の追跡調査を行い、同時期に行われたLE(1417例)、ALTA(541例)と手術時間、平均在院日数、術後疼痛、術後合併症および再発を後ろ向きに検討、比較した。 【結果】 平均手術時間はMuRALが29.1分,LEが21.5分,ALTAが12.4分。平均在院日数はそれぞれ6.2日,10.6日,1.3日であった。注射用鎮痛剤の使用頻度から、MuRALとALTAはLEに比べて明らかに術後疼痛が軽度であった。再発率はそれぞれ3.2%、1.1%、12.4%であった。また、術後早期の微熱や便意が認められたが、軽微であり安全性に問題はなかった。 【結論】 LEは痛みを伴い長期入院を要するが、根治度は高い。ALTAは簡便で日帰り手術が可能であるが、再発率が高い。MuRALはLEより痛みが少なく、ALTAより再発率が低い。 近年、痔核の手術療法には様々な工夫がなされており、痔核の状態や患者のニーズに合わせて術式を選択することが必要である。MuRALは「切らずに治す」方法として、痔の治療の選択肢のひとつになり得る。 |
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