和訳版Abstract | 目的 縫合不全は大腸癌手術の重篤な合併症である。この研究の目的は、腹腔鏡下直腸癌手術で異なるリークテスト法を含め、縫合不全のリスク因子を明らかにすることである。 方法 2015年~2020年に杏林大学医学部付属病院にて自動吻合器にて吻合された直腸癌手術症例201例を対象としている。全症例は吻合部が肛門縁より15cm以内の症例である。 結果 縫合不全は16例(8%)であった。単変量解析では、糖尿病(p=0.068),腫瘍部位(p=0.049)、低位前方切除(LAR)(p=0.002),縫合器使用回数(p=0.007),術中内視鏡不使用(p=0.069)に傾向があった。多変量解析ではLAR(p=0.029),術中内視鏡不使用(p=0.039)が独立したリスク因子となった。リークテスト陽性は術中内視鏡不使用例で1例(1/107)、内視鏡使用例で3例(3/94)に認めたが追加処置にて術後縫合不全は認めなかった。 結論 この研究では、LARと術中内視鏡不使用が縫合不全のリスク因子となった。内視鏡を使用したリークテストは縫合不全を回避する手段となる可能性がある。 |
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