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Review Article
Volume 7 Issue 4 Pages 232-240

Can the Single-stapling Technique Following Intersphincteric Resection with Transanal Total Mesorectal Excision Become the New Standard Anastomosis?

和訳版Abstract 背景:TaTMEにおける吻合手技の確立によりsingle stapling technique(SST)吻合の適応は拡大し、より低位の直腸腫瘍症例にも施行可能となった。

目的:TaTME併用ISRにおけるSSTの安全性とフィージビリティを検討する。

方法:2018年1月~2020年3月にTaTME併用ISRを受けた腫瘍下縁がAV 3~6cmかつ吻合線が肛門管内に位置する患者を対象とした。SST群と手縫い吻合群に分け、単変量解析で吻合部関連合併症を含む術後短期成績および肛門機能を比較し、多変量解析でmajor LARSに対する各種因子の影響を分析した。

結果:手縫い吻合群48例、SST群39例の計87例。術後短期成績は両群で同等であり、縫合不全はSST群で少なかった。SST群でLARSスコアが有意に低く、major LARSの割合も有意に低かった。多変量解析では手縫い吻合のみがmajor LARSの独立危険因子として同定された。

結語:TaTME併用ISRにおいてSSTは安全に施行可能であり、従来の手縫い吻合より術後肛門機能が良好であった。SSTは低位直腸腫瘍患者に対する有望な吻合法である。