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Case Report
Volume 7 Issue 4 Pages 307-310

A Case of Colon Cancer with Extramural Tumor Deposits in the Main Lymph Node Area: A Case Report

和訳版Abstract 症例は72歳の男性.便潜血陽性の精査で下行結腸に亜全周性の2型腫瘍を認めた.造影CT検査では,下腸間膜動脈根部周囲(主リンパ節領域)に結節も2つ認めた.D3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下左半結腸切除術を施行し,上記2つの結節も切除した。病理組織診断では,中分化型管状腺癌であり,腸管傍リンパ節や中間リンパ節領域のリンパ節には転移を認めなかった.主リンパ節領域の結節にはリンパ節構造は観察されなかったものの腺癌細胞は認められ,リンパ節構造を伴わないtumor deposits(TD)またはリンパ節跳躍転移の可能性が考えられた.大腸癌におけるTDの存在は予後不良と関連するため,このような症例における術後補助化学療法の必要性を検討する必要がある.TDの定義を見直し,再発リスク分類をすることが重要である.硬膜外TDの評価について依然として議論の余地があるため,本症例を報告する.