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Practice Guidelines
Volume 7 Issue 4 Pages 284-300

Clinical Guidelines for Diagnosis and Management of Cowden Syndrome/PTEN Hamartoma Tumor Syndrome in Children and Adults-Secondary Publication
(小児・成人のためのCowden症候群/PTEN過誤腫症候群の診療ガイドライン)

和訳版Abstract Cowden 症候群/PTEN 過誤腫症候群は、PTEN 遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とするまれな常染色体顕性遺伝性疾患である。消化管、皮膚、粘膜、乳房、甲状腺、子宮内膜、脳などの種々の臓器に過誤腫性病変が多発する症候群である。巨頭症や20 歳代後半までに多発する皮膚粘膜病変を発症することが多い。本症候群は、しばしば小児期に多発する消化管ポリープ、自閉スペクトラム症、知的障害などにより診断される。また、がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある。本症候群は、乳癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、大腸癌、腎細胞癌などの悪性腫瘍を合併するリスクが高いことから、適切なサーベイランスが必要である。
このような状況下で、本症候群の診療は日々進歩しているが、本邦には実用的なガイドラインが作られていない。そこで、厚生労働省科学研究費難治性疾患等政策研究事業の一環として、全国の大学の複数の専門家から成るガイドライン委員会を組織し、本症候群の診療ガイドラインを作成した。本ガイドラインは、Cowden 症候群/PTEN 過誤腫症候群の診断基準、治療・サーベイランスの方法について、4つのクリニカルクスチョンとそれらに対する推奨するべき回答を含んでいる。このCowden 症候群/PTEN 過誤腫症候群ガイドラインは、一部アップデートされ、小児から成人にかけてシームレスに正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるように作成したものを英文化した。