和訳版Abstract | 目的 ストマアウトレット症候群(SOO) は, 一時的人工肛門造設を伴う潰瘍性大腸炎 (UC) に対する大腸全摘術後に約40%程度発生する.この研究は,UC患者に対する一時的人工肛門を伴う大腸全摘術後のSOOのリスク因子を特定することを目的とした. 方法 われわれは, 2006年4月から2021年9月までに大腸全摘術と一時的人工肛門造設を受けたUC患者68人について臨床病理学的および解剖学的要因に基づいて分析した. 結果 Clavien-Dindo Grade II以上のSOOが11例 (16%) の患者で発生した.6例の患者は予定よりも早く人工肛門閉鎖を必要とした.SOOのない患者と比較して, SOO患者はUCの発症から手術までの総ステロイド投与量が有意に高く (p=0.02), 腹腔内脂肪の量が少なく (p=0.04), 腹腔鏡手術の割合が高かった(p<0.01). 結論 術前のステロイド投与量が多いこと,腹腔内脂肪が少ないこと, 腹腔鏡手術がSOOの危険因子として示唆された.SOOの早期発見と治療は,リスクを有する患者にとって重要である. |
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