J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Case Report
Volume 8 Issue 1 Pages 39-42

Inflammatory Myofibroblastic Tumor of the Anus: A Case Report

和訳版Abstract 69歳女性。下血とともに肛門から腫瘤が脱出するようになったため受診した。視触診で6時方向に20mm大の腫瘤を認める。下部消化管内視鏡検査では、歯状線上に有茎性の隆起性病変を認め、造影CT検査では造影効果を伴う腫瘤であった。肛門ポリープの術前診断で経肛門的に腫瘤切除を行った。歯状線上の11時方向に肛門上皮に覆われた可動性のある腫瘤を認めた。深部は内肛門括約筋に接しており、何らかの腫瘍性病変を疑い内肛門括約筋を一部含めるように切除した。術後の病理組織にてInflammatory myofibroblastic tumor:以下IMTと診断された。IMTは筋線維芽細胞の特徴をもつ紡錘形細胞の増殖とリンパ球や形質細胞の浸潤を認める腫瘍性病変で転移や再発が確認されていることから中間悪性腫瘍として分類されている。発生部位は肺、膀胱、腸間膜、脳、肝、脾臓、消化管など多岐にわたるが大腸の発生は少ない。今回,我々は肛門に発生したIMTを経験したため報告する。