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Review Article
Volume 8 Issue 2 Pages 48-60

Single-incision Laparoscopic Colonic Surgery: A Systemic Review, Meta-analysis, and Future Prospect

和訳版Abstract 結腸手術において,単孔式腹腔鏡手術は従来の多孔式腹腔鏡手術と比べて遜色の無い新たな選択肢として注目を集めたが,当初期待されたほど普及していない.そこで,われわれは単孔式腹腔鏡下結腸手術の実現可能性,安全性,腫瘍学的転帰について全無作為化比較試験と各群50症例以上を含む論文を用いてメタ解析で評価し,更に単孔式手術の展望を述べ統計的レビューとした.総皮膚切開長が単孔式腹腔鏡下結腸切除で短かったこと以外,単孔式腹腔鏡下結腸切除術と多孔式腹腔鏡下結腸切除に周術期合併症率,手術関連因子,腫瘍学的因子に有意差は認めず,単孔式腹腔鏡下結腸切除術は技術的・腫瘍学的に実現可能でありかつ安全であった.日本の単孔式手術実施件数は増加しているものの腹腔鏡に占める割合は減少しており,また単孔式手術に関する英語論文数も減少しており,単孔式手術はある程度定着したが頭打ちの状態となっている.新しいロボット基盤の登場で単孔式手術の概念が再評価される可能性が期待される.