和訳版Abstract | 目的:抗TNFα抗体療法は腸管切除後のクローン病における再発予防に効果的であることが示されている。しかし抗TNFα抗体療法施行中であっても外科的再発に至る症例は少なくない。術後抗TNFα抗体療法を施行された患者における外科的再発の危険因子について検討した。 方法:2002年から2016年までの術後抗TNFα抗体療法による寛解維持療法が行われた患者164例を対象とし、後方視的に評価した。クローン病に関連した再手術を外科的再発と定義し、コックス比例ハザードモデルを用いて危険因子を解析した。 結果:164例のうち、128例がインフリキシマブ、36例がアダリムマブによる寛解維持療法が行われた。術後平均観察期間は60.2ヶ月で、手術後5年の外科的再発率は14.9%であった。外科的再発の唯一の危険因子は術後の喫煙であった。 結論:術後の喫煙は抗TNFα抗体製剤による術後寛解維持療法を受けている患者において外科的再発の危険因子である可能性が示唆された。 |
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