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Original Research Articles
Volume 1 Issue 1 Pages 22-28

Rules for anal fistulas with scrotal extension
(陰嚢進展痔瘻のルール)

和訳版Abstract 【目的】陰嚢に進展する痔瘻の特徴,特に後方に原発口をもつ深外肛門括約筋レベルの坐骨直腸窩痔瘻や骨盤直腸窩痔瘻が陰嚢に進展するかどうかを調べた.
【方法】痔瘻根治手術を受けたのべ446例の男性患者について後方視的に,原発口の位置によって,前方群と後方群に分けて,陰嚢へ進展する割合を比較検討した.
【結果】56例の陰嚢に進展する痔瘻の内,46例(82.1%)が原発口前方群であった.再手術例を除くと,48例の陰嚢に進展する痔瘻の内,42例(87.5%)が原発口前方群であった. 痔瘻が陰嚢に進展する相対危険度は前方群は後方群に比べて14.22倍高く,再手術例を除くと,18.67倍高かった.
【結論】陰嚢に進展する痔瘻のほとんどは前方に原発口を持つ浅外肛門括約筋レベルの坐骨直腸窩痔瘻か,低位筋間痔瘻であって,後方に原発口をもつ深外肛門括約筋レベルの坐骨直腸窩痔瘻や骨盤直腸窩痔瘻が陰嚢に進展することは,再手術例を除けば稀である.