Complete laparoscopic total mesorectal excision with an intersphincteric resection and coloplasty pouch anal anastomosis for lower rectal cancer
（完全腹腔鏡下直腸間膜切除、内肛門括約筋切除、coloplastyパウチ肛門吻合術）

https://doi.org/10.23922/jarc.2016-003

和訳版Abstract	下部進行直腸癌の内肛門括約筋切術(ISR)後の排便機能維持に対して、結腸パウチ再建が行われる。本論文は新たな手術術式である、完全腹腔鏡下直腸間膜切除術(TME)、ISR、coloplastyパウチ肛門吻合の術式紹介とその手術成績を報告する。【術式】腹腔鏡下でTMEを施行し、岬角の部位で大腸を離断する。腹腔内で離断した口側結腸を用いて、linear staplerにてcoloplastyパウチを作成する。同時に経肛門的にISRを施行し腹腔内と交通させる。切除標本を肛門より摘出し、coloplastyパウチを肛門へ引き出し肛門吻合を行う。【結果】下部直腸癌に対して完全腹腔鏡下手術が施行された8例を検討した。手術時間中央値：300分、出血量中央値：46gであり、明らかな術中汚染は認めなかった。Clavien-Dindo分類II度の骨盤内膿瘍を１例に認めた。術後12か月におけるWexner incontinence scaleの中央値は7であった。【結語】本術式は安全で排便機能も担保された手技であり、下部直腸癌に対して選択的に対象となりえると考えられた。

和訳版Abstract

下部進行直腸癌の内肛門括約筋切術(ISR)後の排便機能維持に対して、結腸パウチ再建が行われる。本論文は新たな手術術式である、完全腹腔鏡下直腸間膜切除術(TME)、ISR、coloplastyパウチ肛門吻合の術式紹介とその手術成績を報告する。【術式】腹腔鏡下でTMEを施行し、岬角の部位で大腸を離断する。腹腔内で離断した口側結腸を用いて、linear staplerにてcoloplastyパウチを作成する。同時に経肛門的にISRを施行し腹腔内と交通させる。切除標本を肛門より摘出し、coloplastyパウチを肛門へ引き出し肛門吻合を行う。【結果】下部直腸癌に対して完全腹腔鏡下手術が施行された8例を検討した。手術時間中央値：300分、出血量中央値：46gであり、明らかな術中汚染は認めなかった。Clavien-Dindo分類II度の骨盤内膿瘍を１例に認めた。術後12か月におけるWexner incontinence scaleの中央値は7であった。【結語】本術式は安全で排便機能も担保された手技であり、下部直腸癌に対して選択的に対象となりえると考えられた。

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Complete laparoscopic total mesorectal excision with an intersphincteric resection and coloplasty pouch anal anastomosis for lower rectal cancer（完全腹腔鏡下直腸間膜切除、内肛門括約筋切除、coloplastyパウチ肛門吻合術）

Complete laparoscopic total mesorectal excision with an intersphincteric resection and coloplasty pouch anal anastomosis for lower rectal cancer
（完全腹腔鏡下直腸間膜切除、内肛門括約筋切除、coloplastyパウチ肛門吻合術）