J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Original Research Articles
Volume 1 Issue 2 Pages 45-49

Needlescopic versus conventional laparoscopic surgery for colorectal cancer ~a comparative study~
(細径鉗子を用いた腹腔鏡下大腸癌手術 ~従来法との比較検討~)

和訳版Abstract 目的:大腸癌に対する細径鉗子を用いた新たな腹腔鏡手術(Needlescopic surgery: NS)の有用性および安全性を明らかにすること
方法:臍部に縦3.5 cmの小切開を置き,同部位にカメラポート,さらにスクエアに5ないし10mmの4本のポートを追加した計5本のポートで手術を行うMPSに対して,NSでは,1本あるいは2本の5mmポートを細径鉗子に変更して手術を行う.今回,2012年7月から2014年8月までに原発性大腸癌に対してNSを行った連続138例とそれ以前の2010年1月から2012年6月までにMPSを行った連続130例の術後短期成績を比較検討した.
結果:両群間で手術時間に有意差は認めなかったが(p=0.467),出血量はNS群で有意に少なく(p=0.002),術後在院日数も有意に短かった(p<0.001).また郭清リンパ節個数の平均値はいずれも27個であった(p=0.730).いずれも周術期関連死亡は認めず,合併症の発生頻度にも有意差を認めなった(p=0.454).
結語:細径鉗子を用いた腹腔鏡下大腸癌手術は定型化された腹腔鏡下手術と比べて遜色のなく,安全性および有用性に優れた術式である可能性が示唆された.