Predictive value of myenteric and submucosal plexitis for postoperative Crohn's disease recurrence

https://doi.org/10.23922/jarc.2016-006

和訳版Abstract	目的：クローン病(CD)切除標本の神経叢炎と術後内視鏡的再発との関連性を検討する．方法：1995年~2013年に当科でCDに対し腸管手術を施行した症例(n=51)を対象とし，切除標本口側断端における神経叢炎を評価した.粘膜下層と筋層の神経叢における炎症細胞数を数え，炎症細胞数が最多の神経叢(MIG)の面積を測定した.ロジスティック回帰分析を用い，術後内視鏡的再発の危険因子を解析した. 結果：51例中40例に術後内視鏡検査を施行し，21例(52.5%)に再発を認めた. 手術～再発までの期間は49.7±34.7ヶ月で，累積再発率は術後1年で5.0%，3年で24.1%，5年で45.1%であった.神経叢炎の発生頻度は粘膜下層で90.0%，筋層で92.5%であった.多変量解析の結果，初回手術例，神経叢炎の割合<50%，筋層のMIG面積≧867 μm2，粘膜下層の神経叢の炎症細胞数≧8が術後内視鏡的再発の独立した危険因子であった. 結論：切除標本口側断端における粘膜下層の神経叢炎の程度と筋層の神経叢の面積は，CD術後内視鏡的再発の予測因子となり得る.

和訳版Abstract

目的：クローン病(CD)切除標本の神経叢炎と術後内視鏡的再発との関連性を検討する．
方法：1995年~2013年に当科でCDに対し腸管手術を施行した症例(n=51)を対象とし，切除標本口側断端における神経叢炎を評価した.粘膜下層と筋層の神経叢における炎症細胞数を数え，炎症細胞数が最多の神経叢(MIG)の面積を測定した.ロジスティック回帰分析を用い，術後内視鏡的再発の危険因子を解析した.
結果：51例中40例に術後内視鏡検査を施行し，21例(52.5%)に再発を認めた. 手術～再発までの期間は49.7±34.7ヶ月で，累積再発率は術後1年で5.0%，3年で24.1%，5年で45.1%であった.神経叢炎の発生頻度は粘膜下層で90.0%，筋層で92.5%であった.多変量解析の結果，初回手術例，神経叢炎の割合<50%，筋層のMIG面積≧867 μm2，粘膜下層の神経叢の炎症細胞数≧8が術後内視鏡的再発の独立した危険因子であった.
結論：切除標本口側断端における粘膜下層の神経叢炎の程度と筋層の神経叢の面積は，CD術後内視鏡的再発の予測因子となり得る.

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