| 和訳版Abstract | 右側結腸の血管分岐形態には破格が多いが、静脈系と比較し、動脈系の破格は稀である。今回われわれは、回結腸動脈(ICA)と中結腸動脈(MCA)が共通幹を形成する稀な破格をもつ盲腸癌の一例を経験したので報告する。 症例は60歳代男性。大腸内視鏡検査で盲腸腫瘍を認め、生検で中分化型腺癌と診断された。術前の3D-CTAでは、ICAとMCAが、上腸間膜静脈の腹側で共通幹を形成する稀な動脈破格を認めた。ロボット支援下右半結腸切除術(D3)を施行した。横行結腸遠位側の血流維持のため慎重に共通幹を確認し、MCA分岐の末梢側でICAを切離、MCAは左枝を温存し右枝のみ切離した。病理診断はT3N1b(2/51)M0、Stage IIIBであった。本症例のような動脈破格をもつ症例では、3D-CTAによる血管分岐形態の正確な把握が残存臓器の血流維持や、出血回避のために極めて重要である。術前の精緻な画像評価とロボット支援手術の併用が解剖学的に複雑な大腸手術の安全性向上に寄与することが示唆された。 |
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