和訳版Abstract | 【目的】小腸癌のミスマッチ修復機能異常(deficient mismatch repair; dMMR)の頻度と分子遺伝学的特徴を検討する。 【対象・方法】2002年3月から2017年3月の間に、外科的切除を行った小腸癌38例を対象とし、4種類のMMRタンパク(MLH1,PMS2,MSH2,MSH6)の発の免疫組織学染色を行い,発現消失がみられた症例に遺伝学的検査を行った。 【結果】2例(5.3%)にMSH2/MSH6の発現消失を認めた。この2例のうち、1例にMSH2: c.2038C>Aの生殖細胞系列における病的バリアントが認められた。もう1例は、Lynch-like syndromeと考えられた。 【結語】日本人小腸癌におけるdMMR腫瘍の頻度は5.3%、LSの頻度は2.6%と推定された。dMMR小腸癌では,MLH1のメチル化ではなく、生殖細胞系列あるいは体細胞のMMRバリアントによる発癌の経路が示唆された。 |
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