和訳版Abstract | 目的:リンパ節転移のリスクが高い局所切除後の早期直腸癌には追加手術が考慮される。現在、いくつかのリスク因子が追加手術の適応とされるが、明確な基準は存在しない。リスク因子の数に基づいた追加手術の必要性と、粘膜下浸潤の意義を評価することが当研究の目的である。 方法:2005年3月から2016年12月の間に局所切除を受け、リンパ節転移のリスク因子を持つ早期直腸癌の患者を後方視的に分析した。 結果:29人が適格。これらを手術(n = 10)化学放射線療法(n = 7)追加治療なし(n = 12)に分類した。 29人中リスク因子を1つのみ持つ15人(52%)は再発しなかった。追加治療なしの12人はリスク因子数が少なく、うち8人(67%)は粘膜下浸潤のみであった。化学放射線療法群の患者で局所再発を1例認めた。5年全生存率は、手術群88.9%、化学放射線療法群75.0%、追加治療なし群で81.5%であった。疾患特異的死亡は認めなかった。 結論:追加手術を受けなかった患者で、リスク因子が深部粘膜下組織浸潤のみの患者には再発を認めなかった。非手術治療の安全性を確認するため、多施設共同研究が望まれる。 |
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