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Original Research Articles
Volume 4 Issue 4 Pages 193-200

The Japanese Extracted Herbal Medicine Daikenchuto Increases the Contractile Activity of the Internal Anal Sphincter Muscle in Conscious Dogs
(覚醒下犬において大建中湯エキスは内肛門括約筋の収縮能を増加する)

和訳版Abstract 目的:この研究は、覚醒下のイヌ内肛門括約筋収縮に及ぼす漢方薬である大建中湯エキス(DKT)の効果を明らかにすることを目的とした。
方法:雄性ビーグル犬の直腸漿膜表面と内肛門括約筋にフォーストランスデューサーを装着し、両筋組織の収縮力についてテレメトリー法を用いて測定した。薬剤として1.5gのDKTを直腸内に投与し、投与6時間後まで継続的に測定を実施した。また投与前後のヒドロキシ-α-サンショオール(HAS)とヒドロキシ-β-サンショオール(HBS)の血漿中濃度を測定した。
結果:内肛門括約筋の収縮はDKT投与10分後にピークに達して約1時間持続し、4時間後に消失した。これに対し、直腸では顕著な収縮は見られなかった。DKT投与動物の血漿中からは約2時間後までHASとHBSの両化合物が検出された。
結論: DKTのイヌ内肛門括約筋収縮作用を初めて明らかにした。これまで報告のあるDKTによる肛門内圧の上昇や便失禁症状の改善は、肛門括約筋の収縮作用に基づくかもしれない。