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Case Report
Volume 4 Issue 4 Pages 201-205

Surgical Management of Colonic Perforation in a Patient with Vascular Ehlers-Danlos Syndrome with no Family History: A Case Report
(若年で大腸穿孔をきたした家族歴のない血管型エーラス・ダンロス症候群の1例)

和訳版Abstract 【緒言】エーラス・ダンロス症候群(以下EDS: Ehlers-Danlos syndrome)はコラーゲン線維形成機構の異常を原因とする非常に稀な遺伝性疾患である。EDSは症状と原因遺伝子から6つの病型に分けられ、その中でも血管型EDSは突然の血管破綻や腸管・子宮などの臓器破裂などの致命的合併症を来す最も重症な型とされる。
【症例】28歳男性。既往に脳動脈瘤破裂、右総腸骨動脈瘤あり、遺伝子検査で血管型EDSと診断され、当院循環器内科にてフォローされていた。自宅で安静時に突然発症した腹痛を主訴に当院に救急搬送された。精査の結果、消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎の診断で緊急手術の方針とした。下行結腸に穿孔を認め、腹腔洗浄ドレナージおよびHartmann術を施行した。
【考察】血管型EDSを原因とする消化管穿孔手術では、組織の脆弱性より出血、縫合不全、再穿孔など治療に難渋し重篤化することが多く、その治療法を慎重に選択する必要がある。