和訳版Abstract | 粘液線維肉腫は高齢者に起こる軟部肉腫であるが、原発性粘液線維肉腫が小腸間膜に発生することは稀である。今回、国内外の報告として4症例目となる腸間膜粘液線維肉腫を経験したため報告する。症例は62歳、男性。頻尿、腹部圧迫感を伴う腹部腫瘤を主訴に、当院を受診。CT、MRI検査施行し術前診断は悪性の腸間膜粘液腫瘍となった。手術は十分なマージンを確保した、小腸、腸間膜合併切除を伴う腫瘍摘出術を施行した。摘出検体の病理所見では免疫染色にて、腸間膜粘液線維肉腫の診断であった。現在、術後約3年経過し、再発所見は認めていない。腸間膜粘液線維肉腫の診断はCT、MRIのみでは難しい。そのため術前に悪性の腸間膜腫瘍を疑った際には、粘液線維肉腫の可能性も考慮し、十分なマージンを確保した摘出が肝要と考えられた。 |
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