和訳版Abstract | 目的:一般に高齢者においては、免疫能低下や併存疾患が存在することが多く、術後合併症が発生した場合には予後不良な転帰をとりうる。そこで超高齢患者(85歳以上)の適切なリスク評価をするためのスコアリングシステムについて検討した。 方法:2007年4月から2018年12月までに当科で大腸癌の外科治療を受けた高齢患者(n = 145)を対象とした。E- PASS、NLR、PLR、PNI、およびmGPSを算出し、術後合併症を予測するのに有用か否かを検討した。 結果:術後合併症の有り群と無し群において、E-PASSの中でも手術ストレススコア(SSS)と総合リスクスコア(CRS)は、合併症有り群で有意に高かった。CRSのROC曲線から計算されたカットオフ値(-0.0580)に基づいて、患者を低スコアと高スコアのグループに分類したところ、高スコアの全生存期間は低スコアよりも低くなる傾向があった。 結論:E-PASSは、大腸癌手術を必要とする超高齢患者における術後合併症発生の有用な予測指標となる可能性がある。 |
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