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Review Article
Volume 5 Issue 2 Pages 113-120

Carbon-ion Radiotherapy for Colorectal Cancer
(大腸癌に対する重粒子線治療)

和訳版Abstract 重粒子線治療は放射線治療の中の粒子線治療の一つです。現在、重粒子線としては炭素イオン線が全世界で用いられています。従来のX線やγ-線などの光子線と異なり粒子治療、特に炭素イオン線治療(CIRT)は、独特の物理的および生物学的利点を有しています。 物理学的利点としては、優れた線量分布を有することから、腫瘍周囲の正常組織の線量を最小限に抑えながら、腫瘍に高い線量の照射が可能です。さらに生物学的利点として、CIRTはDNAに対し修復困難な二本鎖切断を引き起こすことで殺細胞効果が高いことから、陽子線や光子線では抵抗性であった①DNA合成期(S期)の細胞②低酸素細胞にも高い殺細胞作用を示します。これらのことからCIRTは大腸癌などの従来の放射線抵抗性癌に有効であることが期待されました。今回、大腸癌術後局所再発、肺転移、肝転移、リンパ節転移に対するCIRTの結果を紹介しました。