和訳版Abstract | 【背景・目的】進行直腸癌に対する標準的な戦略は、欧米諸国では術前のショートコース放射線治療(SCRT)/化学放射線治療(CRT)+直腸間膜全切除(TME)であるが、放射線治療に化学療法を追加することによる生存率の向上はいまだ不明である。進行直腸癌の局所制御には、このSCRT/CRT、側方骨盤リンパ節郭清(LPND)のどちらかだけでは不十分である可能性が示唆されてきている。我々はSCRT/CRT+TME+LPNDで治療した患者の臨床経過を後方視的に評価した。 【方法】1999年から2012年の間に当院でSCRT/CRT+TME+LPNDを受けた、臨床病期IIおよびIIIの下部直腸癌と診断された患者の有害事象(AE),手術関連合併症(SRC),治療効果を解析した。【結果】 50例(SCRT:25例、CRT:25例)の解析となった。SCRT群とCRT群の間で,全生存期間(OS),無再発生存期間(RFS),局所無再発生存期間,AE,SRCに有意差はなく、病理学的治療効果はCRT群の方が高かった。病理学的側方リンパ節転移を有する患者は、5年OS、RFSが有意に短縮していた。【結論】LPNDを付加した状態であってもSCRT/CRTの選択は予後には影響を与えなかった。 |
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