和訳版Abstract | 緒言:難治性便秘症(結腸運動機能不全)に対する標準手術は、結腸全摘術+回腸直腸吻合術であるが、その治療成績には大きな差がみられる。今回我々は、術前CT検査による術後短期および長期治療成績の予測可能性について検討した。 方法:2011年から2018年までに東京慈恵会医科大学附属柏病院外科で結腸運動機能不全のため単孔式腹腔鏡下結腸全摘術+回腸直腸吻合術を施行した22例を対象とした。術前CT検査所見によって無力性弛緩型結腸運動機能不全群(18例)、痙攣性便秘型結腸運動機能不全群(4例)の2群に分けて比較検討した。 結果:平均年齢、性別、平均手術時間、平均術中出血量には2群間に有意差はみられなかった。術後平均在院日数は、痙攣性便秘型結腸運動機能不全群の方が有意に長かった。無力性弛緩型結腸運動機能不全18例中2例(11%)に胃排泄障害による経口摂取量の低下がみられ幽門側胃切除術+R-Y再建術を施行した。痙攣性便秘型結腸運動機能不全4例は、直腸排便機能障害のため排便困難となり、術後1年以内に人工肛門造設術が全例に必要であった。 結語:難治性便秘症(結腸運動機能不全)には多様性があり、術前CT検査は術後治療成績を占う上で有用と考えられた。 |
---|