和訳版Abstract | 目的:クローン病では術後内視鏡的再発が高率である。本研究の目的は、術後内視鏡的病変とその変化を供覧し、再発を議論することにある。また、右側結腸癌術後吻合部病変とも比較検討した。 方法:2008~2014年の間に外科的切除を行ったクローン病11例と右側結腸癌86例を登録し、クローン病では少なくとも術後6~12か月後に1回目の、2~3年後に2回目の内視鏡的に吻合部観察を行った。右側結腸癌では術後約1年に行った。 結果:クローン病の90.9%に術後初回内視鏡で吻合部周囲病変を認め、右側結腸癌の3.5%と比較して著明に高率であった(p<0.001)。多くのクローン病患者で治療強化を要したが、吻合線上線状表在性潰瘍を認めた2例(18.1%)で治療変更なしに悪化を認めなかった。 結論:クローン病では右側結腸癌に比して多くの吻合部病変を認め、その多くは再発病変と認識され治療強化を要する。一方で、吻合線上線状表在性潰瘍は治療変更なしに悪化しなかったことから、再発病変でない可能性がある。この問題は再発率にかかわるため、多施設での検討が望ましい。 |
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