Identification of Patients with Locally Advanced Rectal Cancer in Whom Preoperative Radiotherapy Can Be Omitted: A Multicenter Retrospective Study at Yokohama Clinical Oncology Group (YCOG1307)

https://doi.org/10.23922/jarc.2020-084

和訳版Abstract	目的：本研究は、術前放射線療法（RT）を省略できる局所進行直腸癌の患者を特定することを目的とした。方法：この研究は、2008年1月から2012年12月の間に術前治療施行せず手術を受けた病理学的ステージIIおよびIIIの直腸癌患者を対象とした後方視的多施設研究である。臨床病理学的因子を単変量および多変量解析によって分析し、局所再発(LR)の独立したリスク因子を明らかにした。結果：815人の患者の5年間の累積局所再発率は11.2％。LRの独立した予測因子は、多変量解析により、肛門縁から10 cm未満の腫瘍位置、50 mmの腫瘍直径、未分化の組織型、および進行したT-Nサブステージ（T3N+またはT4Nany）であった。肛門縁から10cm未満に位置する下部直腸癌（n = 510）では、予測因子数による患者の5年間の累積LRRは0因子:4.4％、1因子:13.0％、2因子: 22.2％、3因子:41.6％であった。結論：危険因子のない下部直腸癌の患者では、術前RTを省略できる。ただし、現在の危険因子に加えて、magnetic resonance imaging（MRI）の所見を使用して、extramural vascular invasion （EMVI）の状態とcircumferential resection margin（CRM）を調べる必要がある。

和訳版Abstract

目的：本研究は、術前放射線療法（RT）を省略できる局所進行直腸癌の患者を特定することを目的とした。
方法：この研究は、2008年1月から2012年12月の間に術前治療施行せず手術を受けた病理学的ステージIIおよびIIIの直腸癌患者を対象とした後方視的多施設研究である。臨床病理学的因子を単変量および多変量解析によって分析し、局所再発(LR)の独立したリスク因子を明らかにした。
結果：815人の患者の5年間の累積局所再発率は11.2％。LRの独立した予測因子は、多変量解析により、肛門縁から10 cm未満の腫瘍位置、50 mmの腫瘍直径、未分化の組織型、および進行したT-Nサブステージ（T3N+またはT4Nany）であった。肛門縁から10cm未満に位置する下部直腸癌（n = 510）では、予測因子数による患者の5年間の累積LRRは0因子:4.4％、1因子:13.0％、2因子: 22.2％、3因子:41.6％であった。
結論：危険因子のない下部直腸癌の患者では、術前RTを省略できる。ただし、現在の危険因子に加えて、magnetic resonance imaging（MRI）の所見を使用して、extramural vascular invasion （EMVI）の状態とcircumferential resection margin（CRM）を調べる必要がある。

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