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Clinical Research
Volume 5 Issue 2 Pages 181-187

Risk Factors for Anastomotic Leakage after Colorectal Surgery with Double-staple Technique Anastomosis: Impact of the Agatston Score

和訳版Abstract 【目的】大腸癌手術における縫合不全のリスク因子は不明確であるが、吻合部の血流障害が重要な因子である可能性が示唆されている。Agatston scoreは血流評価の指標に有用であると報告されている。今回、DSTを用いた大腸癌手術における縫合不全について、Agatston scoreを含む臨床指標を評価した。
【方法】2015年4月から2020年3月の間に結腸直腸癌に対してDSTを用いた待機的手術を受けた147人の患者を後ろ向きに検討した。アウトカムを縫合不全の有無とし、単変量、多変量解析を使用して、危険因子を特定した。
【結果】147人の患者のうち縫合不全を起こした患者は12人(8.16%)であった。単変量解析では、男性、狭心症および心筋梗塞の既往、術前白血球数、Agatston score、出血量、手術時間、術中輸液量が、縫合不全と有意に関連していた。多変量解析では、Agatston scoreのみが縫合不全と関連する因子であった。
【結論】Agatston scoreは、DSTを用いた大腸癌手術における縫合不全の重要なリスク因子である。Agatston scoreが高い場合、より厳重な周術期管理が必要である。