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Case Report
Volume 5 Issue 2 Pages 192-196

Outcomes of Surgical Treatment for Patients with Anorectal Malignant Melanoma; Results of Nine Cases in a Single Institution

和訳版Abstract 直腸肛門部悪性黒色腫(以下、AM)は、比較的希で進行の早い悪性疾患であり、外科的治療は主に腹会陰式直腸切断術(APR)と広範囲局所切除術(WLE)の2つであるが、十分なエビデンスはない。2005年7月から2017年10月に当院で9例のAM症例に対し外科的治療を行ったので、その手術成績を報告する。9例中2例はリンパ節および遠隔転移なし(localized)、4例はリンパ節転移のみあり(regional)、3例は遠隔転移あり(distant)であった。根治的APRはlocalizedとregionalで施行され、姑息的APRとWLEがdistantの3例で施行された。localizedの2例は無再発生存期間が6.8年以上であった。一方、regionalの4例中3例は6-32か月で原疾患の進行のため死亡した。9例の全生存期間14.8か月(中央値)であり、5年生存率と10年生存率はそれぞれ33.3%、16.7%であった。reginal stageではAPRで良好な手術成績を得た症例もあるが多くは予後不良であり、手術適応の選択基準の確立と、免疫チェックポイント阻害薬を含めた集学的治療の発展が望まれる。