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Case Report
Volume 5 Issue 2 Pages 188-191

Laparoscopic Appendectomy for Acute Appendicitis Complicated by Pancytopenia in Two Patients with Hematologic Diseases
(血液疾患患者における汎血球減少症に合併した急性虫垂炎に対し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した2症例)

和訳版Abstract 症例1は25歳、男性。骨髄異形成症候群で骨髄移植待ちであった。急性虫垂炎を発症し外科紹介となった。汎血球減少を認めたが、短期間での血球回復の見込みがないため輸血対応の後、緊急手術を行った。術後合併症なく退院した。症例2は71歳、女性。急性骨髄性白血病で化学療法施行中に急性虫垂炎を発症した。発症時点では1週間ほどで骨髄抑制が改善する見込みであったため、保存的加療を先行させた。しかし、現病の進行により血球回復の見込みがなくなったため、発症25日目で腹腔鏡下虫垂切除術を施行し、術後経過良好にて退院した。血液疾患患者での汎血球減少時の急性虫垂炎治療では、内科医と連携し十分な患者説明のもと、骨髄抑制からの回復見込みの有無や、腹腔内感染制御の可否を治療選択の参考に治療計画を立てる必要がある。また、術式選択ではより低侵襲治療である腹腔鏡手術が有効な手段であった。