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Case Report
Volume 5 Issue 2 Pages 197-201

Five-millimeter Trocar Site Hernia with a Parastomal Hernia Sac: A Case Report

和訳版Abstract 傍ストーマにおける5㎜トロッカーサイトヘルニア(trocar site hernia; TSH)を経験したので報告する.これまで後腹膜経路で造設したストーマとTSH発生の関連性に言及した報告はない.症例は72歳,男性.直腸癌,同時性肝転移の診断で腹腔鏡下直腸切断術・肝部分切除術を施行し,ストーマは後腹膜経路でS状結腸にて造設した(pT3N1aM1a Stage IVA [UICC] 8th edition).術後合併症なく退院したが,術後1年目,突然始まった嘔気を主訴に外来受診した.CT検査にてストーマから1㎝離れた5㎜トロッカーサイトに一致してヘルニアを認め小腸が嵌頓しており,腹腔鏡下ヘルニア根治術を施行した.5㎜TSHの発生率は低いとされるが,後腹膜経路でのストーマ造設時に広く後腹膜を剥離する必要性があり腹壁が脆弱になったことがTSHの発生に影響を及ぼした可能性があった.このように近接している場合5㎜TSHが起こり得ると考えらえた.