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Original Research Articles
Volume 5 Issue 2 Pages 148-157

Risk Factors for Late Rebleeding of Colonic Diverticular Bleeding in Elderly Individuals
(高齢者における大腸憩室出血の再出血リスク因子について)

和訳版Abstract 目的:高齢者における大腸憩室出血の特徴について検討することを目的とした.
方法: 本研究は単施設における後ろ向き研究である. 2004年1月~2019年5月までに大腸憩室出血の診断で入院した519症例を75才以上の高齢者群 (274症例, 平均年齢82.1 ± 5.3才), 75才未満の非高齢者群 (245症例, 平均年齢 63.0 ± 10.3才)の2群に分けて検討した. 主要評価項目は再出血率, 副次評価項目は高齢者群における再出血のリスク因子とした.
結果:入院30日以内の早期再出血率は高齢者群, 非高齢者群において30.6% / 33.1% (p = 0.557)であった. 入院31日以降の晩期再出血率は42.3% / 30.6% (p = 0.005)であり, 高齢者群で有意に高く, 発症より3年後の無再発生存期間は高齢者群, 非高齢者群で63.6%/75.6% であった (log-rank test: p < 0.001). 多変量解析では, non-steroidal anti-inflammatory drug use (NSAIDs) [odds ratio (OR), 3.55], 慢性腎臓病 (OR, 2.89), and 両側憩室 (OR, 1.83)が高齢者における晩期再出血の独立危険因子であった.
結語: 高齢者群では非高齢者群と比較し晩期再出血率が有意に高く, 退院後も慎重なfollow upが必要である. また再出血予防のため, NSAIDsの中止を検討する必要がある.