和訳版Abstract | 目的:本邦の医療関係者における肛門失禁(AI)および便失禁(FI)の現状と関連する因子を明らかにすること。 対象および方法:AIの講義終了後に質問紙で行った。AIは不随意なガスもしくは便の漏れと定義した。 結果:463人(年齢中央値35.6歳(range,20-92),男/女/未回答:132/324/7)が回答した。AIは450人中の34.4%(ガス/液状便/硬便:30.4%/3.6%/0.4%)にみられた。AIは女性に有意に多くみられ(男性/女性:15.5%/42.7%, p<0.001)、AIとFIは40歳以上に有意に多かった(p<0.024)。AIは出産、出産回数、(3回以上)、経膣出産、尿失禁、尿・便の同時排泄スタイル、婦人科手術、全身疾患と有意に関連していた(p<0.05)。多変量解析では、女性、年齢、尿失禁の合併、女性での便/尿の別々排泄不可、男性の大腸疾患/手術既往がAIの危険因子であった。FIは尿失禁と関連していた。 結語:本邦の医療関係者ではAIおよびFIは、それぞれ34.4%,4.0%にみられた。ガス失禁はすべての年齢層で一般的であった。AIは、女性、高齢、尿失禁、女性の便/尿の別々排泄不可、男性の大腸疾患/手術の既往と関連していた。FIは尿失禁と関連していた。 |
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