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Original Research Articles
Volume 5 Issue 4 Pages 386-394

Prevalence and Risk Factors of Anal and Fecal Incontinence in Japanese Medical Personnel
(本邦の医療関係者における肛門失禁および便失禁の頻度とリスク因子)

和訳版Abstract 目的:本邦の医療関係者における肛門失禁(AI)および便失禁(FI)の現状と関連する因子を明らかにすること。
対象および方法:AIの講義終了後に質問紙で行った。AIは不随意なガスもしくは便の漏れと定義した。
結果:463人(年齢中央値35.6歳(range,20-92),男/女/未回答:132/324/7)が回答した。AIは450人中の34.4%(ガス/液状便/硬便:30.4%/3.6%/0.4%)にみられた。AIは女性に有意に多くみられ(男性/女性:15.5%/42.7%, p<0.001)、AIとFIは40歳以上に有意に多かった(p<0.024)。AIは出産、出産回数、(3回以上)、経膣出産、尿失禁、尿・便の同時排泄スタイル、婦人科手術、全身疾患と有意に関連していた(p<0.05)。多変量解析では、女性、年齢、尿失禁の合併、女性での便/尿の別々排泄不可、男性の大腸疾患/手術既往がAIの危険因子であった。FIは尿失禁と関連していた。
結語:本邦の医療関係者ではAIおよびFIは、それぞれ34.4%,4.0%にみられた。ガス失禁はすべての年齢層で一般的であった。AIは、女性、高齢、尿失禁、女性の便/尿の別々排泄不可、男性の大腸疾患/手術の既往と関連していた。FIは尿失禁と関連していた。