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Original Research Articles
Volume 5 Issue 4 Pages 346-354

Usefulness of a Precursory Small Epigastric Midline Incision during Laparoscopic Right Hemicolectomy

和訳版Abstract 目的:腹腔鏡下結腸右半切除術において、我々は手術開始時に剣状突起と臍を結んだ中点(M点)を中心に小切開を置き腹腔鏡操作を施行している。本研究はその位置が結腸右半を体外に引き出すのに最適かを検証した。
方法:2013年から2019年までの間に当院で腹腔鏡下結腸右半切除術を施行した148例を対象とした。術前の造影CT検査を用いてM点と横行結腸間膜基部に存在する胃結腸静脈幹(GCT)と中結腸動脈(MCA)根部との距離をそれぞれ測定した。
結果:GCTとMCAの根部はM点から半径1.5cm以内に存在することが判明し、横行結腸間膜基部がM点のほぼ真下に位置することが示唆された。また、性差やBMIによる比較では、男性および肥満患者において横行結腸間膜基部がよりM点に近かった。
結論:本手技は短時間で安全に第1ポートが挿入できるだけでなく、M点付近に横行結腸間膜基部が存在していることから切離吻合を行うにあたり有用な位置であると考えられた。