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Original Research Articles
Volume 5 Issue 4 Pages 340-345

Risk for Colorectal Cancer in Patients with Serially Positive Fecal Immunochemistry Test in an Annual Screening Program

和訳版Abstract ≪目的≫免疫学的便潜血検査(FIT)が陽性であっても大腸内視鏡を受けず、翌年に再度陽性を指摘される患者がいる。年1回の検診において繰り返しFIT陽性を指摘された受診者の大腸癌リスクを調査することを目的とした。
≪方法≫2010年から2017年にFIT陽性を契機に当院で初回の大腸内視鏡検査を受けた患者を解析した。大腸癌の代理指標としてのadvanced neoplasia(AN)のリスクの違いを、初めて陽性を指摘された人(初回陽性群)と以前の陽性で精検を受けず再度陽性であった人(反復陽性群)で比較した。
≪結果≫計748名の被検者を解析した。ANの検出割合は、初回陽性群と反復陽性群でそれぞれ7.6%(50/656)、18.5%(17/92)であった。反復陽性群のサブグループ解析の結果、1~2年前と2年以上前に陽性を指摘されていた人のAN発見割合はそれぞれ16.7%(6/36)と19.6%(11/56)であり、初回陽性群と比べたオッズ比はそれぞれ2.72(95%信頼区間[CI]、1.04-7.10)と3.09(95%CI、1.47-6.48)であった。
≪結論≫FIT反復陽性群は大腸癌リスクが2倍以上になると考えられ、FIT 陽性者には速やかな大腸内視鏡検査を推奨する。