J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Original Research Articles
Volume 5 Issue 4 Pages 355-365

Factors Affecting Positive Peritoneal Lavage Cytology in Patients with Stage II and III Colorectal Cancer with R0 Resection: A Multi-institutional, Prospective Study

和訳版Abstract 目的:治癒切除可能なstage IIおよびIII大腸癌における癌細胞の腹腔内遊離と関連する術前・術中に確認できる因子を同定する。
対象および方法:大腸癌研究会プロジェクト研究で登録された1698例を対象とし、腫瘍の臨床病理学的特徴と開腹時と切除後の洗浄細胞診の結果との関係を検討した。
成績:洗浄細胞診の陽性率は開腹時2.7%、切除後1.6%であった。開腹時細胞診の陽性率は術前診断で(術前)非分化型癌(7.9%)、術前診断T4 (4.6%)、pN+ (4.3%)でそれぞれ他群に比べて有意に高率で、これらは多変量解析においてもp値は0.01未満であった。術前非分化型癌または術前T4症例は736例で、開腹時洗浄細胞診陽性率は4.5%であった。切除後細胞診の陽性率は術前非分化型癌(5.7%)、腹水+ (5.9%)、pT4 (3.4%)、pN+ (2.0%)で、それぞれ他群に比べて有意に高率で、これらによる多変量解析では術前組織型と腹水+が細胞診陽性の危険因子であった。
結論:術前組織型と術前深達度は開腹時細胞診陽性、術前組織型と腹水は切除後細胞診陽性の独立した危険因子であった。