Review Article
Volume 6 Issue 2 Pages 77-82
Robotic-assisted Surgery: Expanding Indication to Colon Cancer in Japan
和訳版Abstract |
大腸癌に対する低侵襲手術の分野において、ロボット支援下手術は目覚ましい進歩を遂げている。結腸癌に対するロボット支援下手術に関する研究は直腸癌に対するものと比べると少ないものの、この術式の普及に伴いエビデンスは増えつつある。ロボット支援下結腸切除術は長い手術時間や高いコストを要する一方で、腹腔鏡下結腸切除術に比較してより精確かつ低侵襲な手術が可能であることが示されるようになり、腹腔鏡下結腸切除術で問題となっている開腹移行割合を改善し、術後早期回復を促進する可能性が期待される。また腔内吻合などの手技に関しても一定の有用性が示され、さらに腫瘍学的側面を含めた長期予後についても、従来の腹腔鏡手術や開腹手術と比較して、ロボット支援下手術は問題のない手技であることが示されつつある。海外においてロボット支援下結腸切除術が普及する一方で、国内においては一部の機関で実施されているにとどまっているため、本術式の症例経験の更なる蓄積と手術成績に関する検討が必要である。 |