和訳版Abstract | 【目的】大腸粘膜下層浸潤(SM)癌において内視鏡的治療後の外科的リンパ節郭清の必要性の少ない症例を選択するべく、リンパ節転移(LNM)のリスク因子を予測するツールを開発することとした。 【方法】1984年から2012年の間に大阪大学医学部附属病院、大阪国際がんセンター、箕面市立病院で外科的追加切除を施行した大腸SM癌526例を対象とし、LNMに関わるリスク因子について後方視的に検討した。 【結果】大腸SM癌のLNMに関わるリスク因子のうち多変量解析で有意差を認めた項目(リンパ管侵襲(Ly)、簇出(BD)、SM浸潤距離(DSI)(カットオフ値2789?m))で樹形図の作成を行い、「Ly(-)かつDSI<2789μmであればLNM<5%」となる予測式が得られた。臨床で使用しやすい値としてDSIのカットオフ値を3000μmとした場合でも同様の予測式が得られた。 【結論】この予測式は、臨床医や患者が大腸SM癌の外科的追加切除の必要性を判断する一助になるのではないかと思われる。 |
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