和訳版Abstract | 目的:再発高リスク因子を有するStageII大腸癌患者に対する術後補助化学療法(AC)は有用であるが、その予後における優位性は未だ議論がある。そこで本研究は、術前血清CEAとCA19-9値の組み合わせが予後とACの優位性を予測できるかどうかを評価することを目的とした。 方法:日本の全国多施設集積データベースを用いて、2008~2012年の期間に根治切除されたStageII大腸癌患者3,688例を対象とした。患者をA群(CEA、CA19-9共に基準値よりも低値)、B群(CEA、CA19-9の何れか一方が基準値よりも高値)、C群(CEA、CA19-9共に基準値よりも高値)の3群に分類した。 結果:壁深達度、郭清リンパ節個数、腫瘍分化度、リンパ管・静脈侵襲、その他の共変数を調整した多変量Cox回帰分析の結果、C群はA・B群に比べ5年DFS、OSが短く、さらにC群では手術+AC群が手術単独群に比べ5年DFSが向上した。 結論:既存の再発高リスク因子と同様に、術前血清CEAとCA19-9の併用評価は、StageII大腸癌の予後予測に有用となる可能性がある。両腫瘍マーカーが基準値より高値の患者において、ACはDFSを延長させる可能性がある。 |
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