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Original Research Articles
Volume 6 Issue 4 Pages 259-263

Appropriate Antibiotic Selection during the in-hospital Waiting Period for Surgery for Appendicitis
(虫垂炎手術症例における術前待機期間での至適抗生剤選択)

和訳版Abstract 【目的】急性虫垂炎を待機的に手術する際、エンピリックに投与抗生剤が選択されるが、待機失敗を避けるために抗生剤選択が重要である。国際標準として認知されているガイドラインはアジア地域でのESBL産生菌・フルオロキノロン耐性大腸菌高出現頻度のため適用する事ができない。待機手術を行う際の至適抗生剤検討をこの研究の目的とした。【方法】虫垂炎にて手術を行った106例において細菌培養・抗生剤感受性結果を後方視的に検討した。【結果】細菌培養は53例 (50%)で陽性であった。E.coliが23株培養され、4例 (15%)でESBL産生、7例(27%)がフルオロキノロン耐性であった。嫌気性菌は22株培養同定され、カルバペネム及びタゾバクタム/ピペラシリンは全てに感受性があった。クリンダマイシンとセフメタゾールはそれぞれ59%, 82%に感受性があった。
【結論】虫垂炎術前待機期間においては、カルバペネム使用を減らすと言う観点から、日本においてはセフメタゾール使用が考慮されるべきであると思われた。