J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Original Research Articles
Volume 6 Issue 4 Pages 264-273

Preoperative CRP (-) /CEA (-) /CA19-9 (-) /non-T4 in Stage III Colorectal Cancer Is Favorable Risk for Recurrence
(ステージIII大腸癌における術前CRP(-)/CEA(-)/CA19-9(-)/non-pT4は再発に対する予後良好因子である)

和訳版Abstract 目的: stage II/III の結腸・直腸癌における新規 CRP (cut-off=0.6 mg/dl) カットオフ値と CEAおよびCA19-9 による予後への影響を評価した。
対象と方法: 2010 年 1 月から 2016 年 12 月までの間に切除手術を施行したstage II (n=275) またはIII (n=223) の結腸・直腸癌患者 498 例を対象とした。ROC曲線に基づいてCRPのカットオフ値を0.6 mg/dl に設定した。多変量解析により、無再発生存期間 (RFS) の CRP/CEA/CA19-9 ステータスを含む予後因子を評価した。
結果: 再発率は、stage IIで15%, stage III で32% であった。stage II では、CRP、CEA、および CA19-9 は RFS の有意な予後因子ではなかった。stage III では、低 CRP 群は、高 CRP 群と比較して有意にRFSが良好であった (p=0.002)。stage III では、CRP(-)/CEA(-) または CRP(-)/CA19-9(-) の RFS は、それ以外の群(非-CRP(-)/CEA(-)群あるいは非- CRP(-)/CA19-9(-)群)に比べ有意に良好であったが、対照的にCEA(-)/CA19-9(-)群のRFSは有意に良好ではなかった。stage IIIのCRP(-)/CEA(-)/CA19-9(-)群の再発率は、CRP(+)/CEA(-)/CA19-9(-)群よりも有意に低かった(20% vs 50%, p = 0.006)。多変量解析では、CRP(-)/CEA(-)/CA19-9(-) (p = 0.04) および非-pT4 (p < 0.001) がstage III の良好な独立した予後因子であった。stage III での CRP(-)/CEA(-)/CA19-9(-)/非-pT4 群の再発率は 11% (8/73) であった。
結論: stage III では、CRP(-)/CEA(-)/CA19-9(-)/非-pT4 群の再発のリスクは高くない。