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Review Article
Volume 7 Issue 1 Pages 8月16日

Minimally Invasive Treatment for Advanced Hemorrhoids

和訳版Abstract 肛門疾患の中で最も多い痔核は、出血、脱出、掻痒感などの症状を生じる。進行した痔核(ゴリガー分類III度またはIV度)の治療は、徐々に低侵襲手術に移行している。これらの治療は、痔核の血流を減少させることに重点を置いている。ミリガン・モーガン痔核切除術やファーガソン痔核切除術といった従来の痔核切除術(CH)は、再発率が最も低いことから、進行した痔核の標準的治療法と考えられている。低侵襲治療としてこれまでPPHやTHDなどの術式が考案された。本邦では新しい硬化剤である硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸(ALTA)が開発され、すべてのグレードの痔核に使用されている。III度の痔核に対する低侵襲治療は、ALTA療法以外に輪ゴム結紮術、内視鏡的注入硬化療法、赤外線凝固療法などが行われている。それらの低侵襲治療は出血や脱出を改善し、CHに適さない患者には強く推奨される。IV度の痔核に対しては、ムコペクシーを伴うTHDやALTA療法も行われている。しかし、我々の症例ではIV度の痔核に対するALTA療法後の再発率はIII度の場合よりも高かった。以上より、再発率や起こりうる合併症について明確に説明した上で、低侵襲治療は進行した痔核患者に対する有効な治療法である。