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Original Research Articles
Volume 6 Issue 4 Pages 274-281

Characteristics of Fecal Incontinence in Male Patients in Japan

和訳版Abstract 目的:男性の便失禁について臨床的・生理学的特徴を女性と比較し検討する。
方法:2016年10月から2017年9月まで、松島病院の排便機能外来に便失禁を主訴として受診した患者408人(男性:149人,女性:259人)を対象とし、患者背景・直腸肛門内圧検査所見・治療内容・治療開始前後の便失禁の頻度と症状スコアを後方視的に検討した。
結果:最大静止圧・随意収縮圧ともに正常内圧が男性に多く(p<0.0001)、過敏性腸症候群(p=0.003)と肛門手術既往(p=0.02)が男性に多くみられた。治療薬としてメペンゾラート臭化物が男性において使用頻度が高かった(p=0.005)。男女ともに、治療開始から6か月後には保存的治療により便失禁の回数が減少し症状スコアも改善した。
結語:男性の便失禁患者は女性と比較し,直腸肛門内圧検査で正常内圧が多く、IBSと肛門手術既往が多かった.これらの特徴を踏まえて治療にあたることで,便失禁患者の多くが保存的治療でコントロール可能であった.