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Original Research Articles
Volume 7 Issue 1 Pages 17-24

Delayed Presentation and Referral Time from General Practitioners Contribute to Increased Complicated Appendicitis during the Initial COVID-19 Pandemic Period in Japan
(COVID-19流行期にて患者の受診遅延と一次医療機関から当院紹介までの期間延長によって複雑性虫垂炎が増加した)

和訳版Abstract 【目的】COVID-19が一般市中病院において虫垂炎手術診療に与えた影響を検討した.
【方法】2016年1月~2021年4月に急性虫垂炎にて手術施行した84例を対象とした.初回緊急事態宣言発令から1年間の22例(流行期)と流行以前の4年間の63例(対照期)を比較した.
【結果】受診行動;流行期では虫垂炎発症から初回医療機関受診までの期間が有意に長く(2.4 vs. 1.1日,P=0.004),一次医療機関を経由した場合(n=52),前医から当院紹介受診までの期間も有意に長かった(1.6 vs. 0.7 days,P=0.017).重症度;流行期で複雑性虫垂炎が有意に多かった(61 vs. 31%,P=0.023).手術成績;鏡視下率と開腹移行率は同等だった.流行期で手術時間は有意に長かったが(83 vs. 60 min,P=0.003),Clavian-Dindo分類≧合併症は同等であった.
【結語】COVID-19流行期では患者の受診控え等により,虫垂炎が重症化したと考えられた.