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Original Research Articles
Volume 7 Issue 1 Pages 30-37

Risk Factors for Postoperative Paralytic Ileus in Advanced-age Patients after Laparoscopic Colorectal Surgery: A Retrospective Study of 124 Consecutive Patients

和訳版Abstract 【目的】術後麻痺性イレウスは大腸切除術後に起こる頻度の高い合併症の一つである。しかし、術後麻痺性イレウスの危険因子ははっきりしていない現状がある。この研究では、高齢者大腸癌患者の術後麻痺性イレウスの危険因子を同定することを目的とした。

【方法】2018年1月から2020年12月に大腸癌手術を施行した124人を後方視的に検討した。臨床病理学的因子と術後麻痺性イレウスとの関係を検討した。サルコペニアは骨格筋量指数が低い患者と定義し、内臓脂肪型肥満はCTを用いて第三腰椎レベルの内臓脂肪が100cm2以上のものと定義した。内臓脂肪型サルコペニアは内臓脂肪型肥満を伴うサルコペニアと定義した。

【結果】術後麻痺性イレウス患者は全体の9%であり、全例保存的加療で軽快した。単変量・多変量解析で、サルコペニアと内臓脂肪型サルコペニアが術後麻痺性イレウスの独立した危険因子であった。

【結語】75歳以上の大腸癌患者において、サルコペニアと内臓脂肪型サルコペニアが術後麻痺性イレウスの危険因子になることが示唆された。