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Review Article
Volume 7 Issue 2 Pages 52-62

Treatment of Rectovaginal Fistula
(直腸膣瘻の治療)

和訳版Abstract 直腸膣瘻は患者を苦しめる治療困難な合併症であり、症例も少なく治療方針決定が困難であるため治療の現状を概説した。治療法決定には、瘻孔の大きさ、部位、原因、”単純”もしくは”複雑”瘻孔か、括約筋並びに周囲組織の状態、炎症の有無、瘻孔の手術既往、ストーマの有無、患者の状態や術者の経験が関与する。炎症があれば沈静化し、可及的に低侵襲な治療より行う。症状の少ない小さな瘻孔には保存的治療を3-6か月行う。括約筋損傷例には修復も行い、症状が高度な症例には症状緩和のためにストーマ造設も行う。”単純“瘻孔には局所的な手術を行い、”複雑”瘻孔には局所的な手術から経会陰、経腹アプローチの治療を行う。”複雑”、再発瘻孔には健康で血行の良い組織を挿入する手術を行う。高位の瘻孔には経腹的な手術を行う。