Low Geriatric Nutritional Risk Index (GNRI) Predicts Poorer Survival in Patients with Obstructive Colorectal Cancer Who Had a Self-Expandable Metallic Stent (SEMS) Inserted as a Bridge to Curative Surgery
（ステント挿入後根治術を受けた閉塞性大腸直腸癌患者において　低Geriatric Nutritional Risk Index (GNRI)値は予後不良予測因子となる）

https://doi.org/10.23922/jarc.2022-053

和訳版Abstract	目的　Geriatric Nutritional Risk Index (GNRI)は血中アルブミン値と体重/理想体重比から算出される栄養関連のリスク指標である。ステント挿入後に根治術を受けた高齢閉塞性大腸直腸癌症例において、GNRIの予後予測能を検討した。方法　65歳以上のStage I ~ III 閉塞性大腸直腸癌61症例を対象とした。術前のGNRI及びステント挿入前のGNRI(pre-stenting GNRI; ps-GNRI)の短期、長期予後に対する関連を検討した。結果　多変量解析の結果、GNRI<85.3およびps-GNRI<92.9は癌特異的生存期間(cancer-specific survival; CSS)と全生存期間(overall survival; OS)の独立予後不良因子であった。ps-GNRIは単変量解析で無再発生存期間(relapse-free survival; RFS)の不良因子であった。全年齢を対象とした86例での検討ではGNRI<85.3およびps-GNRI<92.9はCSSとOSの独立予後不良因子であった。ps-GNRIは単変量解析でRFSの不良因子であった。さらにps-GNRI<92.9はClavien-Dindo Grade III以上の術後合併症、縫合不全、感染性合併症、術後在院期間延長と相関していた。結論　術前及びステント挿入前のGNRI低値は閉塞性大腸直腸癌における有意な予後不良因子であった。ステント挿入前のGNRI低値は不良な短期、長期成績と相関していた。

和訳版Abstract

目的　Geriatric Nutritional Risk Index (GNRI)は血中アルブミン値と体重/理想体重比から算出される栄養関連のリスク指標である。ステント挿入後に根治術を受けた高齢閉塞性大腸直腸癌症例において、GNRIの予後予測能を検討した。
方法　65歳以上のStage I ~ III 閉塞性大腸直腸癌61症例を対象とした。術前のGNRI及びステント挿入前のGNRI(pre-stenting GNRI; ps-GNRI)の短期、長期予後に対する関連を検討した。
結果　多変量解析の結果、GNRI<85.3およびps-GNRI<92.9は癌特異的生存期間(cancer-specific survival; CSS)と全生存期間(overall survival; OS)の独立予後不良因子であった。ps-GNRIは単変量解析で無再発生存期間(relapse-free survival; RFS)の不良因子であった。
全年齢を対象とした86例での検討ではGNRI<85.3およびps-GNRI<92.9はCSSとOSの独立予後不良因子であった。ps-GNRIは単変量解析でRFSの不良因子であった。さらにps-GNRI<92.9はClavien-Dindo Grade III以上の術後合併症、縫合不全、感染性合併症、術後在院期間延長と相関していた。
結論　術前及びステント挿入前のGNRI低値は閉塞性大腸直腸癌における有意な予後不良因子であった。ステント挿入前のGNRI低値は不良な短期、長期成績と相関していた。

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