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Original Research Articles
Volume 7 Issue 2 Pages 82-90

Use of a Powered Circular Stapler Can Prevent Anastomotic Air Leakage in Robotic Low Anterior Resection for Rectal Cancer

和訳版Abstract 目的: 直腸癌手術において吻合部合併症の予防は重要である。電動式自動吻合器(PCS)は、手動式自動吻合器(MCS)と比較して吻合操作中の吻合部にかかる不適切な力を軽減することが期待されるが、吻合部合併症を減少させるかどうかは明らかでない。今回の検討はPCSがロボット支援低位前方切除術 (Ro-LAR)における吻合部の安全性に寄与するかどうかを検討した。

方法: 2019年4月から2022年4月に直腸癌に対して当院でRo-LARを施行した271例を対象とした。使用する吻合器の種類に応じて、電動式自動吻合器群 (PCSG) と手動式自動吻合器群(MCSG)に分類し、臨床病理学的特徴と手術成績を2群間で比較した。

結果:エアリークテスト陽性例は、MCSGに有意に多かった(p=0.026; PCSG, 1.5%; MCSG, 8.0%)。縫合不全(p=0.486; PCSG, 6.1%; MCSG, 8.9%) と吻合部出血 (p=1.000; PCSG, 0.7%; MCSG, 0.8%) の頻度は、2群間で差がなかった。多変量解析の結果、PCSの使用がエアリークテスト陰性と相関する有意な因子であった(p=0.020、オッズ比6.74、95%信頼区間1.35-33.56)。

結論: 直腸癌におけるRo-LARでのPCSの使用は、エアリークテストの陰性と有意に関連しており、安全な吻合に寄与することが示唆された。