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Original Research Articles
Volume 7 Issue 2 Pages 74-81

Effects of Age and Sex on the Anorectal Sensory Threshold to Electrical Stimulation: A Single-center Observational Study
(加齢と性別が直腸肛門電流感覚閾値に及ぼす影響:単施設観察研究)

和訳版Abstract 【目的】直腸肛門感覚は正常な排便と肛門の禁制を維持するための重要な要素である.本研究では幅広い年齢層の男女を対象に電気刺激に対する直腸肛門感覚閾値を測定し,加齢と性別による変化を検討した.【方法】排便異常や肛門症状を主訴に受診し,直腸肛門電流感覚閾値(anorectal electrical sensory threshold:AEST)を含む直腸肛門機能検査を行った成人888例(男性455例)を対象とした.長さ45mmの双極電極を埋め込んだプローブを肛門管に挿入し,定電流(周波数1Hz,40msec幅の矩形波)で刺激した.電流を0.1mAずつ増加して患者が初めて刺激を知覚した値をAESTとした.【成績】AESTの中央値(四分位範囲)は,男性が0.6(0.2―2.0)mA,女性が0.4(0.2―1.1)mAで,男性が有意に高かった(p<0.001).AESTは男女ともに加齢に伴って増加した(男性:r = 0.384,女性:r = 0.410).年代別のAESTは,20~40歳代では性差を認めなかったが,50~70歳代では女性よりも男性の方が有意に高値であった.【結論】AESTは男女ともに加齢に伴って増加し,その影響は女性よりも男性の方が大きかった.